 米国ドラマ「24」の一場面。主演のキーファー・サザーランド((C)2002,2003 Twentieth Century Fox Film Corporation.All Rights Reserved.) |
2001年から米国で放送され大ヒットしているテレビドラマシリーズ「24 TWENTY FOUR」が、日本でもブームとなっている。昨秋にビデオリリースされて以降、口コミでファンが急増。小説版やガイドブックなど関連本も相次いで出版され、人気はさらに上昇中という。
▽速い展開
「24」は米連邦機関のエージェント、ジャック・バウアー(キーファー・サザーランド)が、密命を受けてテロ阻止に奔走するアクションサスペンス。24時間の出来事を、そのまま24時間(24回)かけて見せるのがミソだ。
米大統領候補者暗殺計画を題材にした第1シリーズ、核攻撃がテーマの第2シリーズは、テレビのアカデミー賞と呼ばれるエミー賞作品賞など数々の賞に輝いた。細菌やウイルスの拡散を扱った第3シリーズも好評だった。
日本ではビデオレンタル開始当初、出演者の知名度がいまひとつだったことなどから話題にならなかった。だがラジオ番組でパーソナリティーが取り上げたり、各地のFM局が上映イベントを開いたりするうちに、「展開が速くて目が離せない」「裏切り満載の意外性が面白い」と評判が広まった。
同時進行する複数の事件を分割した画面で見せ、時刻をデジタル表示して緊張感をあおる手法も受けているようだ。
▽徹夜で鑑賞
エフエム福岡(福岡市)は昨年10月、全24回を一気に見せる「オールナイトマラソン上映会」を開いた。招待したリスナーにはそれぞれ畳1畳と毛布、いす、夜食、朝食を配布。“脱落者”は1人もなく、「合宿みたいで楽しかった」との感想が寄せられた。
エフエム北海道(札幌市)は今年3月、札幌ドームの大型スクリーンで上映。仙台や新潟、名古屋、大阪、広島、熊本、長崎などでも上映会が催され、若い女性らが集まった。マッサージ師を待機させた会場もあったという。
テレビでは今年4月、第1シリーズをフジテレビ系列が深夜枠で放送。人気の高まりを見て5月にはBSフジが24時間連続で放送した。
日本でのビデオ発売元「フォックス ホーム エンターテイメント」によると、レンタル中の第1、第2シリーズの売り上げは計38億円に上る。5月末に売り出された第2シリーズのDVDボックス(13枚組み)は、2万円以上するのに品薄状態が続いているという。
年内には第3シリーズのビデオレンタルが始まる予定で、米国では第4シリーズの制作準備に入っている。ブームは当分続きそうだ。
(06/26 08:28)
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