台湾空軍は、台湾南部の高速道路上で戦闘機の発着訓練を21日に実施することを決めた。中国軍の攻撃で空軍基地の滑走路が破壊された事態を想定するもので、道路を使った戦闘機の軍事演習は78年以来約26年ぶり。中国が今月、台湾の制空権確保をめざす大規模演習を計画していることに対抗する形となる。
空軍の発表によると、同日午前4時から8時にかけて約8キロ区間で道路を完全封鎖し、ミラージュ戦闘機を着陸させ、給油や弾薬補給を短時間ですませて離陸させる。14日朝には、近くの台南空軍基地などからの試験飛行が始まった。
台湾空軍当局者は、14日の記者会見で「高速道路での演習は、昨年から計画されており、中国軍が今月中に行う演習とは無関係」と述べた。もともと今月下旬に台湾でも中国軍の攻撃を想定する「漢光20号演習」が計画されており、高速道路を使っての演習もその一部だとしている。
だが、陳水扁(チェン・ショイピエン)総統再選後、中国が台湾への圧力を緩めない中で実施される民間地域での演習には、中国への警戒感を強める狙いもあるとみられる。
(07/14 21:15) |