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小熊秀雄全集(おぐまひでおぜんしゅう)-22

作者:未知  来源:青空文库   更新:2006-8-29 7:10:49  点击:  切换到繁體中文

底本: 火星探険完全復刻版
出版社: 晶文社
初版発行日: 1980(昭和55)年8月10日
入力に使用: 1980(昭和55)年8月10日発行
校正に使用: 1980(昭和55)年8月10日発行


底本の親本: 火星探險
出版社: 中村書店
初版発行日: 1940(昭和15)年5月30日

 

[目次]
星野博士(ほしのはかせ)
火星(くわせい)への通信(つうしん)
火星(くわせい)の運河(うんが)
火星(くわせい)に人間(にんげん)が住(す)んでゐるか
空中飛行(くうちうひかう)
火星(くわせい)の首都(みやこ)ミルチス?マヂョル市(し)
大歓迎会(だいくわんげいくわい)
腹痛(はらいた)
トマト騒動(さうどう)
火星(くわせい)の看護婦(かんごふ)さん
地球(ちきう)に向(むか)つて
テン太郎(たらう)の報告(はうこく)
人間(にんげん)のヒゲと猫(ねこ)のヒゲ
コオロギと蛙(かへる)
[#改ページ]

星野博士(ほしのはかせ)


テン太郎や お昼(ひる)のおべんとうを 天文台(もんだい)のお父(とう)さんに とどけておくれ
ハイ 行つてきます


ニヤン子とピチクン 僕(ぼく)についてきたまへ
天文台をみせてくれる?
テン太郎さん ぼくもついてゆきますよ


さあ みんなでそろつて でかけやう
足(あし)なみ そろへて
一二 一二


ピチクン あんまり鼻(はな)をくつつけては いけないよ
だつて いい匂(にほ)ひがするんだもの
あら ほんとだ 匂ひだけかぐのは つらいわね


あれが天文台(もんだい)だ あそこでお父(とう)さんは 星の世界(せかい)の研究(けんきう)をなさつてゐるのだ
月や星を見る望遠鏡(ばうゑんきやう)は あのまあるい屋根(やね)の やうな所にあるのよ
ニヤン君(くん) よくしつてゐるね


小使さんがゐるかしら
きれいな建物(たてもの)ね
屋根(やね)の上で なんだかくるくる まはつてゐるね


小使さん お父(とう)さんの所へ おべんとうをもつてきました
わたしも おともしたんだわ
これは これは 星野(の)博士(はかせ)のぼつちやんですか 博士は研究室(けんきうしつ)の方です


ぢや ぼくたち 中に入つてもいゝですね
あゝ ええですとも その長いらうかを通つて 突(つ)きあたりの丸(まる)い建物です


あそこだな
あらまあ
ずゐぶん長いらうかだなあ


ここがね お父(とう)さんがゐらつしやる 火星研究室(くわせいけんきうしつ)だよ
火星といふのは 人間(げん)がすんでゐるといふ 星のことだわね
さうだよ


あら 向ふにつづいてる丸(まる)い円筒(ゑんとう)のやうな建物(たてもの)はなにかしら
あの建物は、火星へ飛(と)んでゆく、ロケットの格納庫(かくなふこ)なんだ
ちよつとのぞいてみたいわね


テン太郎さん ちよつと、まつて なんだか中の様子(やうす)がへんですよ
ほんとにへんだわ
さうかしら ぢや、ニヤンちやん調(しら)べてくれ給(たま)へ


あらまあ おどろいた 大変(へん)だわ


(ドタバタ ドタバタ)
なかで 何か起(おこ)つたの
早く 降(お)りてくれ、何があつたか、しらしてくれ


どうしたんだ ニャンちやん
研究室の中では、ヒゲの引(ひ)つ張(ぱ)り合ひよ
それぢや、喧嘩(けんくわ)を、してゐるの


さうなのよ テン太郎さんのお父(とう)さんと月野(の)博士(はかせ)とが
それは大変だ のぞいてみやう
それがいい


この窓(まど)からのぞいてみやう シーッしづかにしづかに
あらまあ
へんな喧嘩(けんくわ)だな


わしは、どうしても 火星(くわせい)には人間(げん)が をらんと思ひますのぢや
いや、ちがふ 火星には人間がをりますよ


これはけしからん わしのヒゲを引(ひ)つぱつて
わしのヒゲも あなたに引ッぱられてをりますのぢや


ヒゲがぬけてしまつても わしはわしの考(かんが)へを変(か)へません
わしは首がぬけても さう信(しん)じてをりますわい


これではいつまでたつてもケリがつかん 研究(けんきう)をつづけませう
さやう 研究がだいいちです 月野(の)さん、わしのヒゲを離(はな)して下さい


これは失礼(しつれい)
わしこそ 失礼しました


星野(の)さん あなたはたいへんヒゲが御自慢(ごじまん)のやうですな
あなたのこそ美事(みごと)ですよ わしが、ひつぱつて台(だい)なしにしましたわい どれ櫛(くし)をもつてをりますよ


これは恐縮(きようしゆく)の至(いた)りです
いや、どうも お互(たが)ひさまで


ヒゲを引(ひ)つぱつてゐるときは どうなるかと思ひましたよ
そつと降(を)りやう いや、おどろいてしまつた
ほんとに心配(しんぱい)したわ でも仲直(なかなほ)りしてよかつたわ


お父(とう)さん お昼(ひる)のお弁当(べんたう)をもつてきました


おお テン太郎か
おや ニャン子にピチも御苦労(くろう) 入り給(たま)へ


これは坊(ぼつ)ちやん やあ、いらつしやい いま貴方(あなた)のお父さんと床屋(とこや)ごつこをやつてゐましたわい
全(まつた)くその通り アハハ
ウフフ
ウフフ
ウフフ


けふのお弁当は何んぢや これはノリで包(つつ)んだおにぎりぢやなあ
何ぢや君たちは なにがそんなにおかしいのぢや
ウフフ クス クス


月野(の)さん ひとついかが
ほほう これはわしの大好物(かうぶつ)でして ひとつちやうだい致(いた)しませう


ええと これが火星(くわせい)だとしますと


火星の運河(うんが)の問題(もんだい)ですかな
左様(さやう) 望遠鏡(ばうゑんきやう)でみますと 河(かは)はみんなまつすぐに見えますね


火星人(じん)が造(つく)つたものだといふんですな
その通り 火星の運河は 洪水(こうずゐ)とか噴火(ふんくわ)とかの自然(しぜん)の力で出来たとは思へませんね


それはちがひますよ、あまり地球(ちきう)から遠いので 直線(ちよくせん)にみえるだけですよ
それは ちがひますな


現(げん)に写真(しやしん)にも まつすぐにうつりますからね
写真や望遠鏡は まだ完全(くわんぜん)ではありませんな
あら、また始(はじ)まりさうだぞ
いまにどつちかがヒゲをひッぱつてよ
これは天候(てんこう)険悪(けんあく)だぞ


星野さん あなたはどうも強情(ごうじやう)でよろしくない
貴方(あなた)こそ強情ですわい
あらあら
とうとう ヒゲををひつぱつたい
アハハ おかしい おかしい


あつ これはとんだ失敗(しつぱい)だ あなたのお父(とう)さんの大事なヒゲを 引(ひ)つぱつてしまつたわい
いや かまわんですよ ハハハ
アハハ ハハ ハ


いかがです 月野(の)さん おにぎりを半分(はんぶん)さしあげませう
これはどうも
おや また仲直(なかなほ)りだ
仲が良(よ)いんだか悪(わる)いんだか わからないなあ


ぼく達(たち)も おにぎりをたべたいなあ
さうだつたね これは気がつかなかつた さあ君たちもおあがり
火星(くわせい)の話も面(おも)白いけれど
おにぎりもうまいわね
その通りぢやアハハ
[#改ページ]

火星(くわせい)への通信(つうしん)


坊(ぼつ)ちやん、わしが研究室(けんきうしつ)を案内(あんない)してあげやう
やあ、うれしいなあ
みせて もらはう


わたし 火星へ行つてみたくなつたわ


これは、わしが研究(けんきう)をうけもつてゐる機械(きかい)ですよ
大きなものだなあ
何んだらう
何んの機械だらう


いま機械の覆(をほ)ひをとりますから 離(はな)れて見てゐてごらん
アッ わかつた いつかお父(とう)さんが話してくれた 火星信号器(くわせいしんがうき)だ


さうです、この機械は 地球(ちきう)から火星へ信号するのです
すごいなあ
ずゐぶん光るわね
まるで鏡(かがみ)のやうだ


さうです これは鏡(かがみ)です ピッカリングといふ天文学者(もんがくしや)が考(かんが)へ出した 火星(くわせい)への信号(しんがふ)の仕方(しかた)です
これで火星へ 信号してゐるのかしら


いやこれは実験模型(じつけんもけい)です ほんとうに信号するときは 半哩(はんまいる)四方ほどの大きな鏡にするのです
半哩四方とは すごい大きな鏡を使ふんだな


ほをら あそこの山へ光線(くわうせん)を反射(はんしや)させましたよ
あら、山へ映(うつ)つてきれいだわ
やあ 光る光る


太陽(やう)の面(めん)の百万分(ひやくまんぶん)の一の大きさの鏡をつくると 丁度(ちやうど)半哩平(へい)方程(ほど)の鏡がいることになります
その大きな鏡に 太陽の光をうけさせて光らすと 火星の側(がは)から見ると第(だい)五等級(とうきふ)の星の光ほどに光つてみえる……


しかしいくら信号をしても 火星に智慧(ちゑ)のある生物(いきもの)がゐなければ 我(われ)々の信号を受取(うけと)ることができない
やあ あんなに遠くの方の森が照(て)らされて 明(あか)るくなつた


さあ こんどは鏡の反射を街(まち)の方へ移(うつ)してみやう


やあ いま光つた所は水道(すゐだう)タンクだ


でも火星(くわせい)に生物(いきもの)がゐなかつたら かういふ研究(けんきう)は無駄(むだ)になるわね
いやいや さうではない、学者(がくしや)の研究に無駄はない 研究さへして置(お)けば他(ほか)のことにも応用(おうよう)できる

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