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盲人独笑(もうじんどくしょう) 
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| 作者:未知 文章来源:青空文库 点击数 更新时间:2006/9/24 17:46:50 文章录入:贯通日本语 责任编辑:贯通日本语 | 
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よる。まつのこのまより月さやかにみゆると。ひとの申さるるをききてよめる。 はなさきて。ちりにしあとの。このまより すすしくにほふ。つきのかけかな まだ。ほかにも。あるなれど。ままにしておけ。 ――葛原勾当日記―― はしかき 葛原 大正四年、葛原※[#「凵<茲」、356-5]の手に依って、故勾当の日記が編纂、出版せられる迄は、葛原勾当その人に 葛原勾当。徳川中期より末期の人。箏曲家他。文化九年、備後国深安郡八尋村に生まれた。名は、重美。前名、矢田柳三。 以上は、私が人名辞典やら、「葛原勾当日記」の諸家の序やら跋やら、または編者の筆になるところの年譜、逸話集、写真説明の文など、諸処方々から少しずつ無断盗用して、あやうく、 葛原勾当日記。天保八酉年。 ○正月一日。同よめる。 
  たちかゑる。としのはしめは。なにとなく。しつがこころも。あらたまりぬる。 
  山うば。琴にて。五へん。 
○同二日。ゑちごじし。琴にて。十二へん。 
  おふへ村、ちよ美、八つときに、きたる。あづまじし。さみせんと合はせたること、そのかずをしらず。 
  おもうとち。しらべてあそぶ。いとたけの。かずにひかれて。けふもくらしつ。 
  ゑちごじし。同五へん。 
○同三日。なにごともなく。 
○同四日。けいこ、はじめ。 
  おせん。琴。きぬた。 
  あぶらやのおせつ。琴。さよかぐら。 
  とみよしや、おぬゐ。琴。うすごろも。 
  おりやう。琴。ゆきのあした。 
  すみ寿。琴。さくらつくし。 
  おあそ。琴。きりつぼ。 
  おけふ。琴。こむらさき。 
  おのみちや、こわさ。さみせん。四きのながめ。 
  おてう。さみせん。いうぞら。 
  おせつ。琴。わかな。 
  おふさ。琴。うきね。 
  おりう。さみせん。やしま。 
  しげの。琴。こころつくし。 
  おとく。さみせん。きぎす。 
  いばら、おさと。琴。むめがゑ。 
  せいぎよく。さみせん。みづかがみ。 
  おびや、こさだ。さみせん。六だんれんぼ。 
  ゑびすや、おいし。琴。だうじやうじ。 
  すみや、おいそ。琴。をきな。 
  おさわ。さみせん。いそちどり。 
  いづれも、かたちばかり。こまつやの、おかや、きたらず。 
○同五日。おてう。ばかり。けいこいたす。さみせん。いうぞら。さるのこくに、かへりぬ。あとわ、さびしくなりにけり。 
○同六日。雨ふる。 
 おかや。こらしめのため。四きのながめ。琴にて。三十二へん。 
       中略。(太宰) 
○同二十七日。京に、のぼる。 
  やなぎやの、ふね。たつのこくに、のる。ひつじのこくに、つる一も、のる。つた一も、のる。 
○同二十八日。たましまに、つき、いぬのこくに、たち 
○同二十九日。うのこくに、日比に、つき、たつのこくに、たち、さるの、ちうこくに、さこしに、つき 
○同三十日。ゆきしまに、ふねをつなぎ、そらのはるるを、まち 
○二月一日。うのこくに、たち 
○同二日。とらのこくに、あかしに、つく。 
  たちいてて。いまわくるしき。たびごろも。たもとにかよう。かぜのさむけさ。 
  ひとまるさまへ、まゐる。 
○同三日。むまのこくに、たち、とりのこくに、ひようごに、つき 
○同四日。ねのこくに、たち、みのこくに、おうさかに、つき 
○同五日。みのこく。京。 
○同六日。より。まつのさまへ、きしく(寄宿。) 
○同七日。かわりなく候。 
○同八日。あそんだ。あまり、あそぶも、たいくつな、もの。 
○同九日。かわりなく候。 
○同十日。にもつ。うけとる。 
○同十一日。かわりなく候。しのびにて、さらえを、する。 
○同十二日。おやしきに、おいて、琴、ほをのを(奉納)あり。おうむ(鸚鵡)のこゑを、きく。 
       同断中略。 
○四月十九日。に(荷)を、くだす。 
○同二十日。あすわ、ふねなり。 
  こよひわ、なぜこのやうに、ねられぬことかな。わけもない、ことばかり、おもひて、はや、うしのこくにも、なるらん。 
  まことなき。ひとのこころと。とくしらば。なにをうらみの。たねとかわせん。 
  ほんに、おもひまわせば、たのむわ、ふるさと。ちち、はは。まだ、ほかにも、あり。 
  かへらんと。つつめばそでに。あまりけり。つみしわかなを。いかにとかせん。 
○同二十一日。たつのこくに、みやこをたち、さるのこくに、おのみちぶねに、のり 
○同二十二日。かぜ、つよし。さけを、のみ、 
  ふなびとに。まかせてわたる。のりのうみ。なみたたばたて。かぜふかばふけ。 
○同二十三日。むまのこくに、おのみちに、つき、とみよしやに、とまる。 
○同二十四日。ふるさと、あやめ(菖蒲) 
  なにことも。さたかならざる。よのなかに。かわらぬきみの。こころうれしき。 
○同二十五日。すみ寿。琴にて。かがりび。三へん。けいこいたす。 
       同断中略。 
○五月一日。とぞなりにける。さても、このせつわ、は(歯)を、いたむ。 
○同二日。あめふる。おりやう、さみせん、ななくさ。おふえ村、おすて。きたりぬ。琴にて、てんかたいへい。さても、さても、歯がいたい。 
○同三日。つづいて。あめ。はもいたむ。なにほどの、つみや、むくいの、あらわれて、かくまでわれわ、はをいたむらん。 
○同四日。あめも、ふらぬに、はをいたむ。なにのいんがに、このやうな、気づよいをとこが、まま、わしや、いとし。 
○同五日。はをいたむゆゑ、げざいをのむ。されども、きかず。さて。 
○同六日。くすりも、よくめぐりけるか、歯わ、なをり、はらをいたむ。さくじつまでわ、したきりすずめ、こん日わ、にんげんらしきものを、たべたり。つぎに、あぶらやのおせつ、琴にて、さよかぐらを、けいこ。 
○同七日。ひるから、あめふる。また、歯がいたまねばよいが。 
○同八日。うてん。それこそ、また歯をいたむにつき、のみけるものわ、くすり。 
○同九日。あめふる。か(蚊)ひとつ。 
  かならずと。ちぎりしひとわ。来もやらで。さみだれかかる。やどのさびしさ。 
  同よる。はを、いたみ候。ああ、さてもさても。 
○同十日。あめふる。歯が、いたい。おかや。琴。すゑのちぎりをけいこする。おかやに言はれて、こんにちより、たばこを、たち(断ち)申し候。 
○同十一日。あめふる。同いたい、いたい。 
  にくまれて、世にすむかひわ、なけれども、かわいがられて、死のよりましか。 
  この、こか(古歌)のごとく、わしも、歯がいたくて、世にすむかひわ、なけれども、ねずみとらずの、ねこよりましか。やれやれ、いたや。いのちの、あらんかぎりわ、この歯をいたむことかと、おもへば、かなしく候。 
  さびしさわ。あきにもまさる。ここちして。日かずふりゆく。さみだれのころ。 
○同十二日。同いたむ。ひるからわ、いたみも、すくなし。四つから、てん気よく、おけふ。さみせんにて、おいまつ。けいこいたす。 
○同十三日。歯も、こころよく候。こん日より、また、たばこをのむ。 
       同断中略。 
○六月十六日。休そく。やれ、たいくつや。あつや。へいこう、へいこう。 
○同十七日。あるうたに、 
  あさねして、またひるねして、よひ(宵)ねして、たまたま起きて、ゐねむりをする。 
  とやら。きのをから、ねるほどに、ねるほどに、ゆめばかり見るわい。 
  さるのこくにいでて、いぬのこくに、やいろ(八尋)へもどる。 
○同十八日。なにをしたやら、わけがわからぬ。 
○同十九日。なんにも、することがない。あつや、あつや。 
○同二十日。また、休そく。このごろわ、きうそくだらけで、ござる。 
○同二十一日。うのこくにいでて、たかや(高屋)かわもと(川本)に、きたる。おてる。さみせんにて。そでのつゆ。 
○同二十二日。せみのこゑが、やかましい。 
○同二十三日。ながさき、めつけ(目附)のおとをり。したにをれ。 
      
 
 
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