![]() ![]() |
赤い蝋燭(あかいろうそく)
|
作者:未知 文章来源:青空文库 点击数 更新时间:2006/10/21 9:05:59 文章录入:贯通日本语 责任编辑:贯通日本语 |
|
山から里の方へ遊びにいった 猿は拾った赤い蝋燭を大事に山へ持って帰りました。 山では大へんな 「ほう、すばらしい」 「これは、すてきなものだ」 鹿や猪や兎や亀や鼬や狸や狐が押合いへしあいして赤い蝋燭を 「 みんなは驚いて そこで猿は花火というものが、どんなに大きな音をして 「それなら、今晩山の さて夜になりました。みんなは胸をおどらせて山の いよいよこれから花火を打上げることになりました。しかし困ったことが出来ました。と これでは花火はあがりません。そこでくじをひいて、火をつけに行くものを決めることになりました。第一にあたったものは亀でありました。 亀は元気を出して花火の方へやって行きました。だがうまく火をつけることが出来たでしょうか。いえ、いえ。亀は花火のそばまで来ると首が自然に そこでくじがまたひかれて、こんどは鼬が行くことになりました。鼬は亀よりは幾分ましでした。というのは首を引込めてしまわなかったからであります。しかし鼬はひどい みんなはびっくりして草むらに飛込み耳を固くふさぎました。耳ばかりでなく眼もふさいでしまいました。 しかし蝋燭はぽんともいわずに静かに燃えているばかりでした。 底本:「新美南吉童話集」岩波文庫、岩波書店 1996(平成8)年7月16日第1刷発行 入力校正者:浜野 智 1999年3月1日公開 2003年10月12日修正 青空文庫作成ファイル: このファイルは、インターネットの図書館、青空文庫(http://www.aozora.gr.jp/)で作られました。入力、校正、制作にあたったのは、ボランティアの皆さんです。 ●表記について
|
![]() ![]() |