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正夢(まさゆめ)
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| 作者:未知 文章来源:青空文库 点击数 更新时间:2006/11/10 10:18:01 文章录入:贯通日本语 责任编辑:贯通日本语 |
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| 昔、ある街の町外れで大勢の乞食が集まって日なたぼっこしながら話しをしておりましたが、その 「おい、皆聞け。俺が とまだ話してしまわない 乞食共は驚くまい事か、どうしたのかと聞きますと、跛はプンプン 「何、その指環は俺が或る金持ちから貰ったのを落したのだ。こん畜生は泥棒だ。俺は指環を取り返さなくちゃならない」 と云いながら、倒れた男を丸裸にして調べましたが、銅貨が二ツ三ツあった お医者は驚いて、私はそんな恐ろしい事は出来ませぬと断りますと、禿紳士は大層 この様子を最前から窓かけの蔭に隠れて聞いていたのは、この禿紳士の娘と男の子でした。二人はお父さんが出て行くと その時お医者は一足進み出て、指環を紳士に見せながら申しました。 「お 禿紳士がその指環を一眼見ると、誰の指環かという事が 「拾ったものは返さなくてはいけない。指環はどこに隠してあるのか」 若い乞食は頭をかきかき答えました。 「あれは本当の事では御座いませぬ。夢の話をしていたのに と横に居る跛を指しました。跛も顔を真赤にして頭を掻きながら、 「私も夢で指環を落したのですが、此奴が夢の中で同じ所で拾ったのならば、 と申しましたから、皆腹を抱えて笑いました。 けれども禿紳士は笑わないで申しました。 「お前達の夢は正夢であった。御蔭で俺は善人になる事が出来た」 「じゃ、あの神様は本当の神様だったかしら」 と若い乞食が申しました。 「 と云って紳士は二人を抱き上げました。乞食共は一時に万歳を叫びました。 底本:「夢野久作全集1」ちくま文庫、筑摩書房 1992(平成4)年5月22日第1刷発行 ※底本の解題によれば、初出時の署名は「 入力:柴田卓治 校正:もりみつじゅんじ 2000年1月19日公開 2006年5月3日修正 青空文庫作成ファイル: このファイルは、インターネットの図書館、青空文庫(http://www.aozora.gr.jp/)で作られました。入力、校正、制作にあたったのは、ボランティアの皆さんです。 ●表記について
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