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省線電車の射撃手(しょうせんでんしゃのしゃげきしゅ)

作者:未知  来源:青空文库   更新:2006-8-24 17:03:23  点击:  切换到繁體中文

底本: 海野十三全集 第1巻 遺言状放送
出版社: 三一書房
初版発行日: 1990(平成2)年10月15日
入力に使用: 1990(平成2)年10月15日第1版第1刷
校正に使用: 1990(平成2)年10月15日第1版第1刷

 

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 帝都二百万の市民の心臓を、一瞬にしてつかんでしまったという評判のある、この「射撃手しゃげきしゅ」事件が、突如とつじょとして新聞の三面記事の王座にのぼった其の日のこと、東京××新聞の若手記者風間八十児かざまやそじ君が、此の事件に関係ありと唯今目をつけている五人の人物を歴訪れきほうしてたくみに取ってきたメッセージを、その懐中手帳から鳥渡ちょっと失敬して並べてみる。
     *   *   *
「僕は、探偵小説家の戸浪となみ三四郎である。かねがね僕は、原稿紙上の探偵事件ばかりを扱っているのにあきたらず、なにか手頃の事実探偵事件にぶつかってみたいものだと考えていたところ、こんど偶然の機会をつかみ、この『射撃手』事件の捜査のお仲間入りができるようになったのである。……だが僕は、仕事が忙しいうえに、至って面倒くさがり屋だから、事件が起っても、いつもぐに駆けつけて犯罪の現場げんじょう調べをやるというような勤勉きんべんな真似ばかりは出来ない。事件に関する僕の知識は大江山おおえやま捜査課長の報告にもとづいているものも少くない」(東京郊外、大崎町おおさきちょうの同氏邸にて)
「わたくし[#「わたくし」は底本では「わたしく」]はJOAK放送局技術部の笹木光吉ささきこうきちです。このたびは飛んだことから事件に関係を持つようになりました。と申しますのは、わたくし[#「わたくし」は底本では「わたしく」]の邸宅が、事件の犯罪現場に近いところにあって、そのうえなり広い面積エリアを占めているところから、犯人が邸内のどこかを、うろついているんじゃないかとの御疑いから、警視庁のお呼出しを、しばしばこうむるようになったのだそうです。なったのだそうです、とは妙な申しようでございますが、これは大江山捜査課長殿のお話なのですが、わたくしはそれについて半信半疑でいます。それと申しますのが、わたくしが科学者であるというのを口実こうじつにして、わたくしには関係のない事柄にまで科学的意見をちょうされたことが、随分と多うございますのです」(上目黒かみめぐろの笹木邸内新宅に於て)
「僕は帆村荘六ほむらそうろくです。僕は或る本職を持っているかたわら、おはずかしい次第ですが、『素人しろうと探偵』をやっています。無論、その筋の公認を得て居りまして、唯今の捜査課長の大江山も、僕を御存知です。こんどの殺人事件は別に依頼をうけたわけではありませんが、始終注意しています。ひょっとすると、事件の成行次第なりゆきしだいで、第一線に立たなきゃならないかも知れません。僕はこの事件に、非常な魅力を感じています」(電話にて)
「あたくしは、赤星龍子あかぼしりゅうこと申します。あたくしは、自分自身のことを余り申上げる気が致しません。そのために疑いが深くなっても仕方がありません。こんな事件に、にも罪のないあたくしみたいなものが引込まれるなんて、あたし一生の不運だと思っていますわ、なんでもいいんです」(東京郊外、渋谷町しぶやまち鶯谷うぐいすだにアパートにて)
「大江山警部。年齢三十七歳。警視庁刑事部捜査課長。在職満十年。今回省線しょうせん電車内に起りたる殺人事件は、本職を始め警視庁を愚弄ぐろうすることのはなはだしきものにして、爾来じらい極力きょくりょく探索たんさくの結果、此程このほどようやく犯人の目星めぼしつかむことを得たるを以て、遠からず事件解決のはこびに至るべし。なお本職を指して米国べいこく市俄古シカゴ悪漢ギャング団長アル・カポーンに買収されたる同市警察署長某氏に比するものあるは憤慨ふんがいを通り越して、そぞろ噴飯ふんぱんを禁じ得ざるなり」(警視庁において、タイプライターでうった原文を手交しゅこう
     *   *   *
 さて「射撃手」事件の、そもそも発端ほったんは、次のようだった――

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