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中国怪奇小説集(ちゅうごくかいきしょうせつしゅう)15池北偶談(清)

作者:未知  来源:青空文库   更新:2006-8-27 18:03:01  点击:  切换到繁體中文

底本: 中国怪奇小説集
出版社: 光文社文庫、光文社
初版発行日: 1994(平成6)年4月20日
入力に使用: 1994(平成6)年4月20日初版1刷
校正に使用: 1999(平成11)年11月5日3刷

 

中国怪奇小説集

池北偶談

岡本綺堂




 第十三の男は語る。
しん朝もその国初の康煕こうき雍正ようせい乾隆けんりゅうの百三十余年間はめざましい文運隆昌の時代で、嘉慶かけいに至って漸く衰えはじめました。小説筆記のたぐいも、この隆昌時代に出たものは皆よろしいようでございます。わたくしはこれから王士禎おうしていの『池北偶談』について少しくお話をいたそうと存じます。王士禎といってはお判りにならないかも知れませんが、王漁洋おうぎょようといえば御存じの筈、清朝第一の詩人と推される人物で、無論に学者でございます。
 この『池北偶談』はいわゆる小説でもなく、志怪の書でもありません。全部二十六巻を談故、談献、談芸、談異の四項に分けてありまして、談異はその七巻を占めて居ります。右の七巻のうちから今夜の話題に適したようなものを選びまして、大詩人の怪談をお聴きに入れる次第でございます」

   名画の鷹

 武昌ぶしょう張氏ちょうしの嫁が狐にみこまれた。
 狐は毎夜その女のところへ忍んで来るので、張の家では大いにうれいて、なんとかして追いはらおうと試みたが、遂に成功しなかった。
 そのうちに、張の家で客をまねくことがあって、座敷には秘蔵の掛物をかけた。それはそう徽宗きそう皇帝の御筆ぎょひつというたかの一軸である。酒宴が果てて客がみな帰り去った後、夜がけてからかの狐が忍んで来た。
「今夜は危なかった。もう少しでひどい目に逢うところであった」と、狐はささやいた。
「どうしたのです」と、女はいた。
「おまえの家の堂上に神鷹しんようがかけてある。あの鷹がおれの姿をみると急に羽ばたきをして、今にも飛びかかって来そうな勢いであったが、幸いに鷹のくびには鉄の綱が付いているので、飛ぶことが出来なかったのだ」
 女は夜があけてからその話をすると、家内の者どもも不思議に思った。
「世には名画の奇特きどくということがないとは言えない。それでは、試しにその鷹の頸に付いている綱を焼き切ってみようではないか」
 評議一決して、その通りに綱を切って置くと、その夜は狐が姿をみせなかった。翌る朝になって、その死骸が座敷の前に発見された。かれは霊ある鷹の爪に撃ち殺されたのであった。
 その後、張の家は火災に逢って全焼したが、その燃え盛る火焔ほのおのなかから、一羽の鷹の飛び去るのを見た者があるという。

   無頭鬼

 張献忠ちょうけんちゅうはかの李自成りじせいと相ならんで、みん朝の末期における有名の叛賊である。
 彼がしょく成都せいとに拠って叛乱を起したときに、蜀王の府をもってわが居城としていたが、それは数百年来の古い建物であって、人と鬼とが雑居のすがたであった。ある日、後殿のかたにあたって、笙歌の声が俄かにきこえたので、彼は怪しんでみずから見とどけにゆくと、殿中には数十の人が手に楽器を持っていた。しかも、かれらにはみな首がなかった。
 さすがの張献忠もこれには驚いて地にたおれた。その以来、かれは其の居を北の城楼へ移して、ふたたび殿中には立ち入らなかった。


 

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