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化鳥(けちょう)

作者:未知 文章来源:青空文库 点击数 更新时间:2006-8-22 13:20:43 文章录入:贯通日本语 责任编辑:贯通日本语

底本: 短篇小説名作選
出版社: 現代企画室
初版発行日: 1982(昭和57)年4月15日
入力に使用: 1984(昭和59)年3月15日第2刷
校正に使用: 1984(昭和59)年3月15日第2刷

 

   第一

愉快おもしろいな、愉快おもしろいな、お天気てんきが悪くつてそとあそべなくつてもいゝや、かさみのて、あめるなかをびしよ/″\れながら、はしうへわたつてくのはいぬしゝだ。
菅笠すげがさ目深まぶかかぶつてしぶき[#「さんずい+散」、39-4]れまいとおもつて向風むかひかぜ俯向うつむいてるからかほえない、みのすそ引摺ひきずつてながいからあしえないで歩行あるいてく、たかさは五尺ごしやくばかりあらうかな、猪子いぬしゝしてママおほきなものよ、大方おほかたいぬしゝなか王様わうさま彼様あんな三角形さんかくなりかんむりて、まちて、して、わたし母様おつかさんはしうへとほるのであらう。
トかうおもつてると愉快おもしろい、愉快おもしろい、愉快おもしろい。
さむあさあめつてるときわたしちひさな時分じぶんいつ日でしたつけ、まどからかほしてました。
母様おつかさん愉快おもしろいものが歩行あるいてくよ。」
爾時そのとき母様おつかさんわたし手袋てぶくろこしらえてくだすつて、
「さうかい、なにとほりました。」
「あのウいぬしし。」
「さう。」といつてわらつてらしやる。
「ありやいぬしゝだねえ、いぬしゝ王様わうさまだねえ。
母様おつかさん。だつて、おほきいんだもの、そして三角形さんかくなりかんむりました。さうだけれども、王様わうさまだけれども、あめるからねえ、びしよぬれになつて、可哀想かあいさうだつたよ。」
母様おつかさんかほをあげて、此方こつちをおきで、
吹込ふきこみますから、おまへ此方こつちへおいで、そんなにしてると衣服きものれますよ。」
めやう、母様おつかさん、ね、こゝんとこの。」
「いゝえ、さうしてあけてかないと、お客様きやくさまとほつても橋銭はしせんいてつてくれません。づるい[#「づるい」はママ]からね、引籠ひつこもつてだれないと、そゝくさ通抜とほりぬけてしまひますもの。」
わたし其時分そのじぶんなんにもらないでたけれども、母様おつかさん二人ふたりぐらしは、この橋銭はしせんつてつたので、一人前ひとりまへ幾于宛いくらかづゝつてわたしました。
はしのあつたのは、まちすこはなれたところで、堤防どてまつならむではつてて、はしたもと一本いつぽん時雨榎しぐれえのきとかいふのであつた。
このえのきしたはこのやうな、ちひさな、番小屋ばんごやてゝ、其処そこ母様おつかさん二人ふたりんでたので、はし粗造そざうな、宛然まるではせといつたやうなこしらかたくいうへいたわたしてたけ欄干らんかんにしたばかりのもので、それでも五人ごにんや十人ぐらゐ一時いつときわたつたからツて、すこれはしやうけれど、れてつるやうな憂慮きづかひはないのであつた。
ちやうどまち場末ばすゑむでる日傭取ひようとり土方どかた人足にんそく、それから、三味線さみせんいたり、太鼓たいこらしてあめつたりするもの越後獅子ゑちごじゝやら、猿廻さるまはしやら、附木つけぎものだの、うたうたふものだの、元結もつとゐよりだの、早附木はやつけぎはこ内職ないしよくにするものなんぞが、目貫めぬきまち往帰ゆきかへりには、是非ぜひ母様おつかさんはしとほらなければならないので、百人と二百人づゝ朝晩あさばんにぎや[#「にぎやな」はママ]人通ひとどほりがある。

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