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発明小僧(はつめいこぞう)

作者:未知  来源:青空文库   更新:2006-8-26 6:19:52  点击:  切换到繁體中文


 傷つかず拷問器ごうもんき

内相「お前かい、発明小僧ちゅうのは。」
小僧「さいでごわす。ところで本発明品は、まことに御便利でございましてナ、是非お買い上げを願いとう存じまするで、ヘエヘエ。」
内相「買う買わぬは後にして、早く品物を見せなさい。」
小僧「では……これでございます。このチェーンベルトがドンドン走りますんで。タンクの車輪の上を走るあの鎖ベルトと同じ様なものです。」
内相「鎖の上に何かヒラヒラ附いているのは何じゃ。」
小僧「これは皆たかの羽根です。」
内相「鷹の羽根がどうしたのじゃ。」
小僧「これが犯人の足の裏を、くすぐるのです。まず犯人を椅子に縛りつけて置き、靴下を脱がせます。そしてその足の下へ此の器械を据えつけます。器械が動き出すと、鎖ベルトは輪になっていますから、羽根は犯人の足の裏を、いつまででも擽ります。遂に犯人はアハアハ笑い苦しんで、白状をいたします。むろんこの拷問は、すこしも傷がつきませんです。」
内相「ちょっと重宝ちょうほうじゃが、拷問器では買い上げんぞ。何とかもっともらしい名称に変えてこい」


 乗客吸収方式

鉄相「お前の名は知っとるがロクでなしの発明ばかりじゃないか。」
小僧「そりゃデマでさア。そこで早速ですが、お買い上げねがいたいものをぶちまけて、ロクでなしかどうか御批判ねがいましょう。これこれ、この乗客吸収方式というやつです。」
鉄相「ナニ乗客吸収方式だア、名称はたいへんいいじゃないか。どうするのだい。」
小僧「つまり切符へミシンを入れるのです。」
鉄相「ほう、ミシンを入れて……。」
小僧「それだけのことです。切符を買った乗客は、そのミシンのところから、ひきちぎって切符の半分を保管します。それには賃金が書いてあります。それをめるんです。」
鉄相「溜める? 溜めてどうする。」
小僧「一定の金額以上溜めると、そこで今までに買った切符の金額合計の一割に相当するだけの金額を乗客に払い戻します。」
鉄相「そんなことは出来ない。」
小僧「それも現金で払うのではなく、鉄道旅行券で払う。だから貰った方の乗客は、その切符で思い懸けない旅行が運賃ナシでやれる。」
鉄相「うん、なるほど。」
小僧「だから乗客はえる。キセル乗りをよして、たのしみだからちゃんと全線の切符を買うようになる。鉄道省の収入は大いに殖えて、一割の切符払い戻しなんか、てんで苦にならなくなる……というのはどうです。」
鉄相「面白い。では実行しよう。どうもありがとう。」
小僧「あれッ。買って下すったんだったら、お金を下さい。」
鉄相「それはアイデアで、発明じゃない。発明は工業的でなくちゃいかん。」
小僧「工業的ですよ。……ハイ、これがそれについて必要な切符ミシン器です。たいへん早く良く正確に穴が明きます。うんとお安くして置きます、どうぞ。」


 鉄の切手

逓相「ここへは、いろんな発明を持ちこんでくるが、面白いのがあった例がない。君はやく喋って、帰って呉れ給え。」
小僧「はア、これ、如何です。」
逓相「なんだ、それァ。」
小僧「これは鉄の切手です。」
逓相「鉄の切手? 鉄の切手なんて重くて配達出来やせん。」
小僧「そう思うのが、認識不足ですよ。鉄の切手を使えば、今までの十分の一の時間で配達が出来ます。」
逓相「法螺ほらを吹くなよ。」
小僧「本当ですよ、法螺じゃありません。つまりハガキにこの鉄の切手を貼りますネ。それを配達するときは、〒やサンがサイドカー付きのオートバイで配ってまわる。しかもその車には機関銃式郵便物射出器しゃしゅつきというのがついているのです。引金をグッと引けば、往来に居ながら、遥か向うの戸口まで、郵便物が射出いだされて飛んでゆくのです。」
逓相「機関銃式とは考えたナ。しかし郵便物が戸口に当って、バラバラ下へ落ちるのではサービス問題をひきおこすから困る。雨の日など、折角せっかくターキーが送ったブロマイドが泥だらけじゃ、申訳ない。若い女の子にうらまれては、ワシャつらい。」
小僧「なに大丈夫ですよ。戸口には磁石式郵便受を附けるのです。大きな磁石がブラ下っているのです。配達車から射出されたハガキは、鉄の切手が貼ってあるから、戸口へ飛んでゆくとピシリピシリと、この磁石に吸いつけられて、下には落ちんです、この方式によれば、上海シャンハイの市街戦のように超スピードで……。」
逓相「オイ誰か。この方のおでこへ『通信事務』のハンコをペタリとして、お住居すまいへ送り返せ!」



   多忙病の人に捧げる

 千手観音せんてかんのん装置

秘書「そりゃ私も忙しくて閉口してますよ。だが、失礼ながら君の名はノトーリアスですよ、ロクなものを持ってこんというもっぱらの評判ですが、知っていますか。」
小僧「弁解は忙しいのでしません。まず品物を見られよデス。」
秘書「こりゃ何だ、義手ぎしゅじゃないか。君、間違えちゃいけませんよ。私には正しく二本の手がありますよ。」
小僧「三本の手があっても、忙しくて足らん……とよく申しますネ。つまりこの義手は二本の手があっても、なおかつ忙しい人に取付けるのです。試みに一本つけてごらんなさい。」
秘書「こりゃおどろいた。」
小僧「それで左の手で、電話の受話器を持ち、右の手に握った鉛筆で、向うの云う用件を紙の上に書き……それから補手ほしゅでもって、薄くなった頭の頂上をゴシゴシといてごらんなさい。」
秘書「こりゃ奇妙だ。……四五本、置いていってくれ給え。」

 

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