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秋果(しゅうか)

作者:未知  来源:青空文库   更新:2006-10-23 13:00:38  点击:  切换到繁體中文

芝居が閉ねて劇場を出ると、もんは如何にも吻つとしたやうに暗い街を歩いた。おなかが空いてゐたけれど、もうこのごろは何一つこんなに遲くまで食物店をひらいてゐる店もない。芝居もどりの人達が、ぞろぞろ自分のそばを通つてゐた。新宿行の電車の通つてゐる四ツ角の安全地帶のところまで來ると、もんは誰かが自分の肩を強く押して通つたやうな氣がして、ふつと振り返つたけれど、誰が肩を押して行つたのか、たゞ、自分のまはりを黒い人影が電車道の方へぞろぞろ流れてゐるきりだつた。秋らしいひいやりとした夜風が吹いてゐた。安全地帶で、暫く新宿行きの電車を待つてゐたが、來る電車も、來る電車も滿員で、もんにはなかなか乘れさうにもない。何處から、こんなに澤山のひとが鈴なりになつて來るのかもんには不思議だつた。さつきから、もんと同じやうに、何臺も電車を待つてゐる二三人連れの女のひとたちが、時々華かに笑ひあひながら芝居の話をしてゐた。そのなかのひとりが、笑ひ聲のしづまつたあとで、「何だか、行末のことを考へてゐると、私、心細いやうな氣がして仕方がないわ」と云つた。もんは獨りで安全地帶の廣告燈のそばに立つてゐて、心細い行末だと云つた女の聲をしみじみときいてゐた。
 もんは昨日、上海から戻つて來たばかりで、東京の街のすべてがなつかしくて仕方がなかつた。東京はやつぱりいゝところだと思つた。何處がいゝと云ふわけではなかつたけれど、獨りで住むにはやつぱり東京がいゝと思つた。軈て暫くしてから、やつと少しばかり空いた電車が來たので、もんは、二三人連れの女の人達のうしろから電車に乘つた。女の人達は、繪でも描く人達なのか、くすんだ電車のなかがぱつと明るくなるやうな思ひ思ひに風變りなかつこうをしてゐた。流行の、前髮をいくつも輪に卷いて、澁い金茶のお召に紅い帶を締めてゐるひとや、黒と白の氣取つた脊廣を着てゐる脊の高いひとや、薄緑[#「薄緑」は底本では「薄縁」]の外套を着て、手に大きい黒いハンドバツグをさげてゐるひとなど、暫く東京を離れてゐたもんには新鮮な感じでこの女づれが眺められた。安全地帶ではあんなに元氣にしやべりあつてゐたひとたちも、電車へ乘つてしまふと、みんな默りあつて吊革へつかまつてゐた。どのひとが、行末を心細いと云つたのかわからなかつたけれど、趣味のいゝ華かな姿を見てゐると、どのひとも、あまり行末のことなど考へてゐるやうにも見えなかつた。もんは、この女のひと達と並んで吊革に手をそへてゐたけれど、暗い窓にうつつてゐる自分の姿の方が、はるかに行末のことを心配してゐるやうに見える。
 四谷見附まで來ると、女の人達は降りて行つた。明るいところで見る女の人達はどのひとも服裝よりは老けた顏をしてゐたけれど、どのひとの服裝もちやんと東京の街に似合はしく調和がとれてゐた。幸福さうな人達だなともんは、自分も、いまにあんなになりたいと思つた。いままでは莫迦な夢を見たと思つて、これからまた何處かに就職してせつせと働いてみたいと思つた。上海のデパートで買つた、出來合ひの腰の線の細い外套を着てゐる自分の姿が何だか支那人くさくて、湯たんぽをかゝへて歩いてゐた、支那人の賣娼婦のやうにおもへて仕方がない。
 大木戸のアパートへ戻つたのが十一時頃だつた。弟はもうよく眠つてゐた。電燈に紫の風呂敷をかぶせて、枕元に煙草を散らかしたまゝよく眠つてゐた。もんは外套をぬぐと、机のそばに置いてある光つた鋲のついたトランクに腰をおろして暫く呆んやりしてゐた。机の上にはいろんなものがごちやごちやと置いてあつたが、新しい糊の壺がもんの眼にとまつた。おなかが空いてゐたせゐか、糊壺を手に取つて一寸匂ひをかいで見た。甘い菓子のやうな匂ひがした。暖國にても腐敗することなく、また、寒國にても凍ることなし。純白清潔にして附着力強甚なれば、貼付後離れることなく、且つ使用後乾燥速なり、殊に本品は特殊な愛すべき芳香を有すれば、使用上不快なく、日常机上に缺くべからざる逸品なり。もんは効能書きを讀んで、小指で糊をすくひ、ほんの少しなめてみた。何の味もないのが物足りなかつた。二十六にもなつて、弟はまだ嫁ももらはないで、いまだにかうしたアパート住ひをしてゐるのがもんには可哀想でならない。何時召されるかも知れないと云つて、弟は兵隊に行つて戻つて來るまでは獨りでゐるのだと、このアパートにもう二年も獨りで住みついてゐる。日本橋の或る信託會社に勤めてゐて、時々詩や小説なんかを書いてゐた。糊壺のそばには、小さいレザー表紙のアドレスブツクがあつた。もんは手にとつてぱらぱらとめくつてみた。いろんな知人の住所のなかには、上海にゐたもんの所書きもあれば、工藤の住所もひかへてあつた。あんなに思ひつめてたづねて行つた工藤のところから、いまは戰ひやぶれたやうな氣持でもんは東京の弟のアパートへ戻つて來てゐるのだ。丁度、一年前のいまごろ、秋雨のしとしと降つてゐる長崎の町で、工藤へ船の名前を知らせてやつたものだつた。工藤は船を迎へにも來てくれなければ、たづねて行つた工藤のアパートにはもうよその女のひとが一緒に住んでゐた。いつしよの船に乘りあはせたわけのわからない女の世話で、四川路底にある日本人旅館に宿をとることが出來たけれど、もんは、あの時の男のこゝろの頼りなさをいまだに忘れることが出來ない。工藤は弟の友達で、もんよりは一つ下だつたけれど、もんは工藤と同じ年だと、一つ年をかくしてゐた。工藤とは弟の紹介で自然に親しくなり、二人で一度信州の山の温泉へ旅行をした事があつた。工藤は新聞社へ勤めてゐた。お互ひに好きだとは一度も云ひあつたこともなく、旅行に出ても、まるで、一二年も前から同棲してゐた者同志のやうな、坦々とした交渉が出來てゐた。もんは十年も前に母を亡くしてからは、父親と、弟二人を相手に、まるで男まさりのやうな氣強い性格にかはり、五六年前から勤めを持つやうになつてからも、自分の對象となるべき人をみつけるよゆうが少しもなかつたのだ。平凡な職業婦人で、一寸見れば美しくはあつたけれど、男の社員達も、もんの事を同僚と思ふ以外には、異性と云つた氣持が少しもしませんねと云つてゐた。そのころは、もんも、そんなに云はれることを、自分が男の社員達と同等にみとめられてゐるやうに、何だかほこらかな氣持を持つてゐたのだつたけれど、女はやはり女であり、女らしいと云ふことが本當だと云ふことをこのごろになつてもんは悟つた。こんど、正月がくれば三十になる。女も三十になつてしまへば、もう、女の將來はおよその行末がきまつてしまふともんは思ふやうになつた。もんが三十になるまでの青春のひとゝきは工藤がたつた獨りであつた。工藤を知つたゝめに、もんは女の道としてのまた別な世界が開けたけれども、その愉しさはいまはあとかたなく消えうせてしまひ、何も知らないで暮してゐた時よりもいつそう暗いみじめなおもひをなめなければならなかつた。こんなみじめな思ひをする爲に、此世の中には、男も女も澤山うじやうじやとゐるのだらうかともんは不思議に思ふのだつた。何も話しあはなくても、一人の男と女がむすばれあつた場合、貞操は固く結ばれあふものだと信じきつてゐたし、また、工藤の人格についても大きな安心を持つてゐたのだ。上海へ特派されて行く時も、工藤は、長くなるかも知れないからもし會社をやめられるやうだつたらやめて來ないかとも誘つてくれたし、弟の守一も上海行をすゝめてくれたけれど、もんは、工藤を知つてからますます働くことに魅力を持つた。いくらか貯金も出來てから、工藤ときちんとした家庭を持ちたいと願つた。女學校を出て、早くから現實的な生活に放り出されてゐたもんは、自分の及びもしない世界を夢想したり、這入りもしない金の豫算をたてる事が出來ない几帳面な女になつてゐた。働いてゐさへすれば安心して將來健實な生活が出來ると思つた。上海へ旅立つて行つた工藤からは一二度簡單な音信があつたが、その後半年ばかりして何のたよりもなくなり、もんが手紙を出しても工藤からは返事一つよこさないのである。もんは、工藤の仕事がよつぽど忙がしいのだと思つた。工藤が手紙をよこさなくなるのと反比例して、もんはだんだん工藤がなつかしくて仕方がなかつた。會社から、あんまり疲れて戻つて來ると、躯ぢゆうが火照つてなかなか寢つかれない事があつた。そんな晩は、いまゝで考へても見なかつた、甘い虹のやうなおもひが胸のなかへぱアと明るく射しこんできて、工藤の顏や手足がばらばらと降つて來るやうな慘酷な空想をしたりした。女の生涯にとつて、男を知るぐらゐ此世に不思議なことがまたとあるであらうか……。もんは、無神論者でもなかつたけれど、工藤を知つてから、初めて、この廣々した人間世間の神秘を知つたやうで、誰にともなくうやうやしく祈る氣持が湧くのであつた。草一莖、土のひとくれにももんは神々しいものを感じた。工藤からたよりが來なくなりもんはだんだん焦々して來たけれど、或日ぶらりと遊びに來てゐた守一が、姉の淋しそうな姿を見て、「一人でくよくよ考へてゐたつてはじまりませんよ。工藤さんももう氣がかはつてしまつてゐるのかもわかりませんね。――姉さんは、案外世間みずで、つまらない生活をしてゐると思ひますよ。昔のひとは男も女も偉らかつたンだなと思ふンだけど、萬葉のなかの女のひとの歌に、戀草を力車に七車、積みて戀ふらく吾心わも、と云ふのがあるンだけど、いまの女のひとたちには、このこゝろの萬分の一の激しい熱情もありませんね。何だの彼だのつて云ふけど、いま少し、若い女がぽつと明るくなるといゝと思ふなア、何だか暗くてじめじめしてゐるンぢやありませんか。そのくせ、どのひとも荒つぽくてがさつで、何だか、女の世界を感違ひしてゐるンですよ。怖い顏してる女の顏が妙にうようよ目立つやうになりましたねえ。會社で見てたつてそうですよ。女事務員なンかが大金を持つて使ひに來るンだけど、金をつかんで出すかつこうが、もうまるでライオンみたいに亂暴なンです。澤山の金をみても胸がどきどきしないンですね。へいちやらな顏をして、預けに來るンだから、これでは男の給仕の方が女みたいだと話しあふ時があるンですがね。女がおしやれをしなくなると、男よりも荒さんでひどくなつてしまふンですね。全くよくないけいこうですよ。かへつて、三十をすぎた商家のおかみさんの方がよつぽど色氣があつて人情がこまやかですね。――いまごろの若い女は、いつたい何を考へ、どんな希望を持つてゐるのか少しもわからない。水を與へないで、美しい花を見ようと云ふのは世間が無理ですよ。關西のどこかでは、一日、お白粉をつけない日をつくつてみたり、紅を塗らない日をつくつてみたり、どうにも厭なことですな」守一はそんなことを云つて、もんにも、工藤をだづねて上海へ行つてみてはどうかとすゝめてくれた。もんは、弟にそんな事を云はれるとなほさら淋しくて仕方がなかつた。鏡を見ても、何となく働きづかれがしてゐるやうに自分が乾いてみえる。會社へ出てゐても、誰一人として自分をしみじみとみつめてくれる人はない。どんな不器量な女でも、始めてのはいりたての女事務員には、何故か男の社員は親切な態度をみせてゐた。新しくはいつた女事務員は、一日一日と美しくみがかれて來て、二三ヶ月もすると、すつかり職業婦人のタイプになり、平氣で男の社員の前でコンパクトを擴げるやうになつてくる。すると、男の社員達は二三ヶ月前に見せてゐたあんなに親切な好意を憎しみの表情にかへて、お互ひ同志ではニツクネームをつけてその女事務員を呼びあつたりしてゐた。もんは長く勤めてゐるだけに、こんな場面のうつりかはりを幾度か見て來て知つてゐるのだつた。
 思ひきつて、もんが會社をやめて上海へ旅立つて行つたのは去年の秋であつた。音信が來なくても、船の名前を知らせてやれば、工藤だつて、どんな事情があるにしても迎へに來ないと云ふはずはない。雨の降る日に長崎の町を發つて、翌日上海へ着いた時は、上海はからりとした秋晴れの美しい天氣だつた。澤山の迎へのなかに工藤の姿を探したけれど工藤はゐなかつた。遠い異郷へ來て、はじめて、信頼してゐたひとに見捨てられたやうなうそさむいものを感じた。もんは、船で知りあつた女のひとの世話で、賑やかな四川路底の日本人の旅館に拜み[#「拜み」は底本では「拜む」]こむやうにしてやつと小さい部屋をとつた。部屋のなかできいてゐると、街の建物が石や煉瓦で建つてゐるせゐか、人聲や俥のベルの音がかんだかくひゞいてきこえた。一寸近所を歩いて買物をしても物價は非常に高い。二階三階が爆破されてゐても、階下では商賣の店をひろげてゐる支那人の店もあつた。もんは、四圍が暗くならないうちにと、宿で自動車をたのんでもらつてヤンジツポの近くにある[#「ある」は底本では「あの」]工藤のアパートにたづねて行つた。工藤の部屋には鍵がかゝつてゐて留守だつたけれど、隣室の若いおくさんの話では、御夫婦とも朝からお出掛けで留守ですと云つた。工藤さんのおくさんは、九州の方だとかで氣分のいゝ明るいひとですと話してゐた。あゝそうだつたのかと、もんは茫然とした氣持で、隣室のおくさんにアドレスを書いた名刺をことづけて宿へ戻つた。もんは食事もしないで暗い部屋で早くから眠つた。リノリユームを敷きつめた廊下をしじゆう大きい靴の音や、男の太い聲が行き來してゐた。高い天井近くに青ガラスの窓が一つあつた。置床にはがさつな鏡臺が一つあるきりの部屋である。もんは寢ながらくれてゆく窓を見てゐた。自分が莫迦だつたと思つた。人倫の道と云ふのはこんなものだつたのかと、ふうつと溜息をつきながら枕をつかんでゐた。工藤は自分と云ふ女の躯をみんなよく知つてゐるはずだのに、どうしてよその女のひとと、平氣で暮してゐられるのか少しもわからないのである。いまさら、工藤を深くうらむ氣持にもなれなかつたけれども、あんまり、自分の間拔けさがめだつてきて肚にをさまらない氣持だつた。父と弟へは着いたといふ電報だけ打つた。
 翌日、工藤が薄色のついた眼鏡をかけてもんをたづねて來た。工藤は默つたまゝ疊へ寢ころがつて眼鏡をはづした。もんが、どうしてくはしく書いた手紙をよこさなかつたのですか、そしたら、私も來るのではなかつたのだと話すと、工藤は毎日疲れて、社の用事以外は字一つ書く氣がしなかつたのだと云つた。「ずつと以前から御一緒なンですつてね」もんがうらみがましく云ふと、工藤はむつくりと起きて腹這ひになると、頬杖をついて、「何も彼もメーフアーズさ。君が惡いンだよ。君が……」そう云つて、桃色の柔い包みにはいつたルビークインと云ふ煙草を出して一本口に銜へた。工藤は、いまの妻君を非常に愛してゐるらしく見える。どんな女性かは知らないけれども、よつぽど氣に入つたひとなのであらう。工藤の眼は、信州の山のなかで見た激しい表情とはおよそ違つてゐた。まるで氣のおけない女友達にでも逢つたやうに、御飯でもたべに行かうとか、南京路を歩いてみようとか現在の二人には少しもかゝはりのない事を云つた。これでは戀草を力車に七車と力んでみやうにも力みやうがない。もんは呆れたやうな顏をして默つてゐた。
 もんはそれから暫く上海の日本人の店で働いた。小さい雜貨店で鑵詰から呉服類まである店だつたので朝から夕方まで相當忙はしかつた。時々店へ買物に來る工藤にあつたりしたけれど、もんはあまり話をしないやうにしてゐた。店の休みの日なんか、思ひがけない街通りで醉つぱらつて歩いてゐる工藤をみかけたりした。お互ひに胸におちない別れかたをしてゐるので、たまに逢へばなつかしかつたけれど、もんは異郷に來た淋しさだけで、昔の戀人によりそつて行くのは自分の身を殺すやうなものだと思つた。充分にみのらないまゝで地に落ちてゆく果物のやうに、もんは、一人で考へ、一人でその考へを實行して、自分はいゝことをしてゐると思つてゐるやうだつた。もんは店の寄宿舍に寢泊りをしてゐた。上海も、もんにとつては住みいゝところではなかつた。正月を上海ですごして、もんは店で知りあつた女友達と二人で蘇州の日本人のデパートに勤めに行つてみたけれど、こゝでももんは落ちつかなかつた。時々工藤のことを思ひ出した。蘇州にゐる間に、土地開發會社の社員だと云ふ米倉と知りあひになつた。知りあつて間もなく結婚を申しこまれたけれども、もんは厭だとことわつてしまつた。米倉は早くから妻君を亡くして、佐賀の田舍には女の子が一人あるのだと話してゐた。よく酒をのみ、らいらくで、人の困つてゐることには何でも世話をやいた。蘇州に着いたもんも、丁度部屋がなくて困つてゐるのを、店に來てゐた米倉が城内の支那人の旅館に世話をしてくれた。米倉は旅館や店にたづねて來るたびに珍らしいたべものや、化粧品をお土産に持つて來てくれた。昔、どこかのホテルのドアマンをしてゐたと云ふだけに大柄で好人物そうな男であつた。一ヶ月ぐらひして米倉はおめかしをしてもんをたづねて來た。もんの生れ故郷をきくでもなければ、何のためにこの蘇州まで來たのかときくでもなく、米倉は結婚話を持ち出した。もんは心のうちに、工藤以外にはもうすべての男に對して何の興味もない自分の年齡を知つてゐた。よその女のひとよりも早く女の終りが來たのかと、もんは淋しいと思ふ時があつたけれど、工藤に對する夢を何時までも捨てきれないでゐる自分がいとしくもあつたのだ。工藤を考へるときだけは心のなかは千變萬化の光を放つた。

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