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中国怪奇小説集(ちゅうごくかいきしょうせつしゅう)05酉陽雑爼(唐)

作者:未知  来源:青空文库   更新:2006-8-27 17:44:10  点击:  切换到繁體中文

底本: 中国怪奇小説集
出版社: 光文社文庫、光文社
初版発行日: 1994(平成6)年4月20日
入力に使用: 1994(平成6)年4月20日初版1刷
校正に使用: 1999(平成11)年11月5日3刷

 

中国怪奇小説集

酉陽雑爼(唐)

岡本綺堂




 第三の男は語る。
とう代は詩文ともに最も隆昌をきわめ、支那においては空前絶後ともいうべき時代でありますから、小説伝奇その他の文学に関する有名の著作も甚だ多く、なにを紹介してよろしいかすこぶる選択に苦しむのでありますが、その中でわたくしは先ず『酉陽雑爼』のお話をすることに致します。これも『捜神記』と同様に、早くわが国に渡来して居りますので、その翻案ほんあんがわが文学の上にもしばしばあらわれて居ります。
 この作者は唐の段成式だんせいしきであります。彼は※(「さんずい+「緇」のつくり」、第3水準1-86-81)りんしの人で、あざな柯古かこといい、父の文昌ぶんしょうが校書郎を勤めていた関係で、若いときから奇編秘籍を多く読破して、博覧のきこえの高い人物でありました。官は太常外卿に至りまして、その著作は『酉陽雑爼』(正編二十巻、続集十巻)をもって知られて居ります」

   古塚の怪異

 唐の判官はんがんを勤めていた※(「しんにゅう+貌」、第3水準1-92-58)りばくという人は、高陵こうりょう庄園しょうえんを持っていたが、その庄に寄留する一人の客がこういうことを懺悔ざんげした。
「わたくしはこの庄に足を留めてから二、三年になりますが、実はひそかに盗賊を働いていたのでございます」
 李※(「しんにゅう+貌」、第3水準1-92-58)もおどろいた。
「いや、飛んでもない男だ。今も相変らずそんな悪事を働いているのか」
「もう唯今は決して致しません。それだから正直に申し上げたのでございます。御承知の通り、大抵の盗賊は墓あらしをやります。わたくしもその墓荒しを思い立って、大勢の徒党を連れて、さきごろこの近所の古塚をあばきに出かけました。塚はこの庄から十里(六丁一里)ほどの西に在って、非常に高く、大きく築かれているのを見ると、よほど由緒のあるものに相違ありません。松林をはいって二百歩ほども進んでゆくと、その塚の前に出ました。生い茂った草のなかに大きい碑が倒れていましたが、その碑はもう磨滅まめつしていて、なんと彫ってあるのか判りませんでした。ともかくも五、六十丈ほども深く掘って行くと、一つの石門がありまして、その周囲まわりは鉄汁をもって厳重に鋳固めてありました」
「それをどうして開いた」
「人間の糞汁ふんじゅうを熱く沸かして、幾日もこんよくそそぎかけていると、自然に鉄が溶けるのです。そうして、ようようのことで、その石門をあけると驚きました。内からは雨のようにを射出して来て、たちまち五、六人を射倒されたので、みな恐れて引っ返そうとしましたが、わたくしはきませんでした。ほかに機関からくりがあるわけではないから、あらん限りの箭を射尽くさせてしまえば大丈夫だというので、こちらからも負けずに石を投げ込みました。内と外とで箭と石との戦いが暫く続いているうちに果たして敵の矢種やだねは尽きてしまいました。
 それから松明たいまつをつけて進み入ると、行く手に又もや第二の門があって、それは訳なく明きましたが、門の内には木で作った人が何十人も控えていて、それが一度に剣をふるったからまりません。さきに立っていた五、六人はここで又斬り倒されました。こちらでも棒をもってむやみに叩き立てて、その剣をみな撃ち落した上で、あたりを見まわすと、四方の壁にも衛兵の像が描いてあって、南の壁の前に大きいうるし塗りの棺が鉄のくさりにかかっていました。棺の下には金銀や宝玉のたぐいが山のように積んである。さあ見付けたぞとは言ったが、前にりているので、迂闊うかつに近寄る者もなく、たがいに顔をみあわせていると、俄かに棺の両角から颯々さっさつという風が吹き出して、すなを激しく吹きつけて来ました。あっと言ううちに、風も沙もますます激しくなって、眼口めくちを明けていられないどころか、地に積む沙が膝を埋めるほどに深くなって来たので、みな恐れて我れちに逃げ出しましたが、逃げおくれた一人は又もや沙のなかへ生け埋めにされました。
 外へ逃げ出して見かえると、門は自然に閉じて、再びはいることは出来なくなっています。たといはいることが出来ても、とても二度と行く気にはなれないので、誰も彼も早々に引き揚げて来ました。その以来、わたくしどもは誓って墓荒しをしないことに決めました。あの時のことを考えると、今でも怖ろしくてなりません」
 この話はこれで終りであるが、そのほかにも墓をあばいて種々の不思議に出逢った話はたくさんに言い伝えられている。
 近い頃、幾人の盗賊がしょく玄徳げんとくの墓をあばきにはいると、内には二人の男が燈火あかりの下で碁を打っていて、ほかに侍衛の軍人が十余人も武器を持って控えていたので、盗賊どももおどろいて謝まり閉口すると、碁にむかっていた一人が見かえって、おまえ達は酒をのむかと言い、めいめいに一杯の酒を飲ませた上に、玉の腰帯ひとすじずつを呉れたので、盗賊どもは喜んで出て来ると、かれらの口は漆を含んだように閉じられてしまった。帯と思ったのはおおきい蛇であった。


 

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