| 底本: | 芥川龍之介全集2 |
| 出版社: | ちくま文庫、筑摩書房 |
| 初版発行日: | 1986(昭和61)年10月28日 |
| 入力に使用: | 1996年(平成8)7月15日第11刷 |
| 底本の親本: | 筑摩全集類聚版芥川龍之介全集 |
| 出版社: | 筑摩書房 |
| 初版発行日: | 1971(昭和46)年3月~1971(昭和46)年11月 |
楊某と云う支那人が、ある夏の夜、あまり蒸暑いのに眼がさめて、頬杖をつきながら腹んばいになって、とりとめのない
楊は、その虱ののろくさい歩みを眺めながら、こんな虫の世界はどんなだろうと思った。自分が二足か三足で行ける所も、虱には一時間もかからなければ、歩けない。しかもその歩きまわる所が、せいぜい寝床の上だけである。自分も虱に生れたら、さぞ退屈だった事であろう。……
そんな事を漫然と考えている中に、楊の意識は次第に
彼の行く手には、一座の高い山があった。それがまた
しかし、芸術の士にとって、虱の如く見る可きものは、独り
底本:「芥川龍之介全集2」ちくま文庫、筑摩書房
1986(昭和61)年10月28日第1刷発行
1996(平成8)年7月15日第11刷発行
底本の親本:「筑摩全集類聚版芥川龍之介全集」筑摩書房
1971(昭和46)年3月~1971(昭和46)年11月
入力:j.utiyama
校正:earthian
1998年12月28日公開
2004年3月9日修正
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