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地中魔(ちちゅうま)

作者:未知  来源:青空文库   更新:2006-8-25 6:41:53  点击:  切换到繁體中文


   岩は何をする?


 警視庁では千葉総監を囲み、捜査係官の非常会議が始っていた。遠く横浜警察の署長までが参加していた。
「では始めます」そういったのは大江山捜査課長だった。「岩はこれから何をするか、それについて皆さんの御意見をうかがいたいものです。……いままでに岩のやったことを考えてみますと、第一には地底機関車を奪い取った事件です。これが岩の仕業しわざであることは、証拠の上でハッキリいえます。第二には、正金銀行から百万弗の金貨を盗んだ事件です。
 私達は金庫の前面ばかりを注意していましたが、岩の方はその裏をいて、地下から坑道を掘り、金庫の裏側のあまり丈夫でないところを破って、金貨を盗んでいったのです」
「一体岩は、そんな機関車を手に入れたり、百万弗の金貨を握ったりして、これから何をやろうと思っているのだ」
「さア――」といったなり一同は顔を見合わせて、誰も返事をするものがなかった。それほどこの答は難しかった。
先刻さっきの話では、岩は坑道をあけていったそうじゃ。どうだい、その坑道を逆に進んでいったら岩の巣窟そうくつへ行けそうなものじゃないか」
 と総監が口をはさんだ。
「それは名案」
 と一同はたくを打って叫んだ。
「では決死隊を編成して、これからすぐ地中に潜ることにしよう」と総監は決心の色をアリアリと浮かべた。


   決死隊を募る


「さア、岩と地中で戦おうという勇士はいないかア。決死隊に加わろうという偉い者はいないかア」
 大江山捜査課長は庁内の警官を集めて、一段高いところから叫んだ。
「よオし。私が参ります」と手をあげた若い警官がある。
「なに、お前やるかッ」
「私も参ります」
「私も是非やって下さい」
 たちまち、九人の決死隊員が出来あがってしまった。
「気を付けッ」大江山捜査課長は九人の決死隊員を並べて号令をかけた。九人が九人、いずれも強そうな立派な体格の勇士ばかりだ。この中に岩が紛れこんでいては大変と、課長は一同をズラリと見廻したが、誰もかもチャンとしていた。
(まず安心だ)
 と課長は心の中で思った。しかし念のために勇士たちの手袋をとって、その手を見ておくとよかったのであるけれど、岩が片手を爆弾でやられたことを知らぬ課長のこととて、それは気がつかなかった。
「穴掘り機械も取りよせてある。ほら、あの自動車に積んであるのがそれだ」
 勇士たちは振りかえって課長の指さす方を見ると、なるほどガッチリした機械が車上に積まれてあった。
「それから、この決死隊のことを地中突撃隊と名付ける。隊長としては、この大江山が先頭に立って指揮をする」
 ああ、大江山課長が進んで決死隊長になるというのだ。これこそ正に警視庁の非常時だ!


   大辻老の参加


 十人の地中突撃隊が警視庁前に勢揃をして、いよいよ勇ましい出陣に移ろうというその時だった。そこへけつけたのは一人の少年と、布袋腹ほていばらの巨漢、これはいうまでもなく少年探偵の三吉と珍探偵大辻だった。
「オイ三吉どん」と大辻が真赤な顔をしていった。「僕等もこの地中突撃隊に参加させて貰おうじゃないか。この方が岩をとッつかまえる早道だぜ」
「そうだね」と三吉は例の調子で黒い可愛い眼玉をクルクルさせていたが「僕は反対するよ」
「なに反対をする。この弱虫め!」
「僕はいままで探偵してきたことを続けてゆく方がいいと思うんだ」
「なんのかんのというが、実はこわいのだろう。わしはそんな弱虫と一緒に探偵していたくはないよ。帆村先生が帰って来てしかられても、わしは知らぬよ」
「叱られるのは大辻さんだよ」
「いや、もう弱虫と、口は利かん」
 とうとう三吉と大辻とは別れ別れになってしまった。
 大辻老は決死隊に参加を許されると、いよいよ大得意だ。ふんぞりかえって、自動車に乗っている。ナポレオンのような気持らしい。しかも岩の足型を大事に小脇に抱えている。
「大辻さん。その足型をこわしちゃ駄目だよ」
「なアに大丈夫……おっとッとッ。お前とは口を利かぬはずじゃった」
 仕度は出来た。突撃隊の自動車は一列に並んで出発した。横浜正金銀行さして……。


   「はてな」の室町むろまち附近


 三吉少年は一人残されたが、失望しない。
「すみませんが、ちょっとはからして下さい」
 そういって彼は日本橋界隈かいわいの地下室のあるところを一軒一軒廻っては、携帯用地震計をえつけて測って歩いた。
「一体、何を測るんだい」
「おじさんの家は大丈夫だということが分るんですよ」
「なにが大丈夫だって」
「それは今に分りますよ。フフフ」
 こんな会話をしながら三吉は歩いて廻った。しかし三吉が室町方面に近付くに従って、彼の顔はひきしまってきた。
「はてな」と彼は日本銀行の地下室でいった。
「はてな」と又、東京百貨店の地階でいった。
「はてな」と彼はまた三井銀行の地下室でもいった。
 三吉は、その三つの場所で、いつも休みなく伝わってくる小地震を感じた。それは地底のはるかの下から伝わってくるのであって、決して地上からではない。本当の地震はごくたまにやってくる。しかも強くひびくところはごく短い時間だけだ。しかしこの室町界隈では不思議な連続地震が起っている。
「これは何かあるぞ!」
 しばらくの間、ジッと考え込んでいた三吉は、何を思ったか、地震計をしまうと、三井銀行の地下室を、アタフタと飛び出した。
 一方、横浜正金から地中へもぐりこんだ十一人の決死隊はどうなったか。もう四十時間も経ったが、消息が分らなくなった。生か死か?

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