又
古来如何に大勢の親はこう言う言葉を繰り返したであろう。――「わたしは畢竟失敗者だった。しかしこの子だけは成功させなければならぬ。」
可能
我々はしたいことの出来るものではない。只出来ることをするものである。これは我我個人ばかりではない。我我の社会も同じことである。恐らくは神も希望通りにこの世界を造ることは出来なかったであろう。
ムアアの言葉
ジョオジ・ムアアは「我死せる自己の備忘録」の中にこう言う言葉を挟んでいる。――「偉大なる画家は名前を入れる場所をちゃんと心得ているものである。又決して同じ所に二度と名前を入れぬものである。」
勿論「決して同じ所に二度と名前を入れぬこと」は如何なる画家にも不可能である。しかしこれは
大作
大作を傑作と混同するものは確かに鑑賞上の物質主義である。大作は手間賃の問題にすぎない。わたしはミケル・アンジェロの「最後の審判」の壁画よりも
わたしの愛する作品
わたしの愛する作品は、――文芸上の作品は畢竟作家の人間を感ずることの出来る作品である。人間を――頭脳と心臓と官能とを一人前に
「虹霓関」を見て
男の女を猟するのではない。女の男を猟するのである。――ショウは「人と超人と」の中にこの事実を戯曲化した。しかしこれを戯曲化したものは必しもショウにはじまるのではない。わたくしは
「
経験
経験ばかりにたよるのは消化力を考えずに食物ばかりにたよるものである。同時に又経験を
アキレス
芸術家の幸福
最も幸福な芸術家は晩年に名声を得る芸術家である。国木田独歩もそれを思えば、必しも不幸な芸術家ではない。
好人物
女は常に好人物を夫に持ちたがるものではない。しかし男は好人物を常に友だちに持ちたがるものである。
又
好人物は何よりも先に天上の神に似たものである。第一に歓喜を語るのに好い。第二に不平を訴えるのに好い。第三に――いてもいないでも好い。
罪
「その罪を憎んでその人を憎まず」とは
桃李
「
偉大
民衆は人格や事業の偉大に
広告
「
追加広告
前掲の広告中、「里見君に非難を加えて下さい」と言ったのは
再追加広告
前掲の追加広告中、「或批評家の代表する一団の天才に敬服した」と言うのは勿論反語と言うものであります。同上
芸術
画力は三百年、書力は五百年、文章の力は千古無窮とは
又
わたしはいつか
又
芸術も女と同じことである。最も美しく見える為には一時代の精神的雰囲気[#「雰囲気」は底本では「雰雰囲気」]或は流行に包まれなければならぬ。
又
のみならず芸術は空間的にもやはり
天才
天才とは
又
天才とは僅かに我我と一歩を隔てたもののことである。同時代は常にこの一歩の千里であることを理解しない。後代は又この千里の一歩であることに盲目である。同時代はその為に天才を殺した。後代は又その為に天才の前に香を
又
民衆も天才を認めることに
又
天才の悲劇は「小ぢんまりした、居心の好い名声」を与えられることである。
又
彼等「我等踊れども、汝足らわず。」

我我は如何なる場合にも、我我の利益を擁護せぬものに「清き一票」を投ずる
だけはソヴィエットの治下にも消滅せぬものと思わなければならぬ。
又
一体になった二つの観念を採り、その接触点を吟味すれば、諸君は如何に多数の
に養われているかを発見するであろう。あらゆる成語はこの故に常に一つの問題である。
又
我我の社会に合理的外観を与えるものは実はその不合理の――その余りに甚しい不合理の為ではないであろうか?
レニン
わたしの最も驚いたのはレニンの余りに当り前の英雄だったことである。
賭博
偶然即ち神と闘うものは常に神秘的威厳に満ちている。
又
古来賭博に熱中した
又
法律の賭博を禁ずるのは賭博に
懐疑主義
懐疑主義も一つの信念の上に、――疑うことは疑わぬと言う信念の上に立つものである。成程それは矛盾かも知れない。しかし懐疑主義は同時に又少しも信念の上に立たぬ哲学のあることをも疑うものである。
正直
若し正直になるとすれば、我我は
虚偽
わたしは或
つきを知っていた。彼女は誰よりも幸福だった。が、余りに
の巧みだった為にほんとうのことを話している時さえ
をついているとしか思われなかった。それだけは確かに誰の目にも彼女の悲劇に違いなかった。
又
わたしも亦あらゆる芸術家のように
には巧みだった。が、いつも彼女には
をも五分前の
のように覚えていた。
又
わたしは不幸にも知っている。時には
に依る外は語られぬ真実もあることを。
諸君
諸君は青年の芸術の為に堕落することを恐れている。しかしまず安心し給え。諸君ほどは容易に堕落しない。
又
諸君は芸術の国民を毒することを恐れている。しかしまず安心し給え。少くとも諸君を毒することは絶対に芸術には不可能である。二千年来芸術の魅力を理解せぬ諸君を毒することは。
忍従
忍従はロマンティックな卑屈である。
企図
成すことは必しも困難ではない。が、欲することは常に困難である。少くとも成すに足ることを欲するのは。
又
彼等の大小を知らんとするものは彼等の成したことに依り、彼等の成さんとしたことを見なければならぬ。
兵卒
理想的兵卒は
又
理想的兵卒は苟くも上官の命令には絶対に服従しなければならぬ。絶対に服従することは絶対に責任を負わぬことである。即ち理想的兵卒はまず無責任を好まなければならぬ。
侏儒の言葉(しゅじゅのことば)
作家录入:贯通日本语 责任编辑:贯通日本语
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